「ヒトシ、フェンダーからパーティのお誘いよ!」
ある朝、広報宣伝部のおネーさんがボクに一通の手紙を渡してくれた。
手紙には、「この度、新施設”フェンダービジターセンター”設立の旨となりました。つきましては、ささやかな会をもうけますので、奮ってご参加ください。」 との事。
パーティーの詳細は飲み放題、食べ放題、ゲストにはシカゴブルースの第一人者、バディー・ガイがライブを演る。いいぞ!フェンダーといえば、業界一の大手、イベントはいつも豪華だ、しかも会場は我が家から徒歩10分!車をおいて存分楽しめる。カミさんと早めに会場に乗り込み、受付をすませ“VIP”と入ったパスをもらって意気揚々とゲートをくぐると ”What’s Up Guys! !!“
聞き覚えのあるダミ声に振り返るとフェンダー・シニアマスタービルダーのタッド・クラウスさんが、ただブラブラしていた。
”Six Strings Town”,ここコロナがギタータウンと呼ばれるゆえんは、大手楽器メーカー”フェンダー”の存在そのものだ。LAを結ぶ近郊電車・メトロリンクのコロナ駅正面にある”フェンダーセンター”には、楽器にまつわる博物館、”フェンダーミュージアム”と、野外コンサート場、”TLC Amphitheater”がある。
全社あげて音楽による子供の情操教育に取り組んでいて、子供向け音楽教室も大人気。9月はキャンペーン”Kids Rock Free”の真っ最中で、あさっての夜には恒例のクラッシックロックの大御所、スティーブ・ミラー・バンドとキッズオーケストラのジョイントコンサートがある。そして、市内をはずれた商業エリアにある工場の敷地にオープンするのが、”フェンダービジターセンター”。タッドさん曰く”すごい場所”らしい。どうすごいのかって?とにかくタッドさんのエスコートで突入だ!
まず入り口ショーウィンドウを飾る、有名ミュージシャン御用達のギターギャラリー。ジミヘンのトリビュートから、クラプトンのブラッキー、おっ、カミさんの好きなリッチー・ブラックモアーのシグネィーチャーもあるぞ。中央ホールには、フェンダーオリジナル商品が並ぶお約束の土産品コーナー。EVHアイテムもあるね!
そして何よりも、一番奥のビジュアルシアターの壁に飾ってあるギターがスゴイ!エディーのフランケン、ランディーのジャクソン、世界中のギターマニアをうならせる、お宝ギターがズラっと並んでいて、どのギターも”Do Not Touch!”と書いていない、、、て事は、触り放題だーーー!と、すっかり興奮状態のボク。「そんな事で驚いてちゃダメだね!」とタッドさんに急かせれ、次に案内されたのが”プレミアムギターショップ”。タッドさんが、「ここはギターのサブウェイ・レストランだ!」と言う。
サブウェイ?自分でパンや具の種類を選んでお好みのサンドウィチが作れるアノ店か?木の匂いの立ちこめる室内をみまわすと、ネック、ボディー、ピックガードの順にギターの部品が”切り身”で置いてある。少し年配のニコニコしたフェンダーTシャツを着たオジさんが、「おひといかがですか?」と話しかけてくる。
そ、そうか、自分の好みのネック、ボディーをアレコレ選んでお好みのギターが作れるってワケだ。まさに、サブウエイ・レストラン・ギター版、なんて危険なレストランなんだ。「何日くらいでできあがるの?」とタッドさんに尋ねると、彼は少し黙ってから答えた。
”スーン、、(Soon,すぐの意味)’’・・・・・
スーン、、アメリカ人の「今スグ」と不動産屋の「すぐソコ」ほどアテにならないモノはないんだがな。さて、その隣がボクの大好きな”試奏ルーム”、弾き放題の部屋だ。
小さな部屋で、5番街の宝石店のような高級感があって入りにくいけど、がんばって常連になるぞ!たっぷりビジターセンターを堪能してから、パーティータイムだ。
世界中の金持ちが集まってるとの事,全てがゴージャスだ。ステージでは、お偉方のスピーチがとりおこなわれている。このアタリは日本もアメリカの変わらないね。
そしてスピーチの最後に登場したのが、フィーリイス・フェンダーさん、今は亡き創設者レオ・フェンダーの奥さんだ。壇上で彼女は語る。
「楽器を作り続けることが、フェンダーのプライドであり、ミュージシャンを産み続ける事が、私の使命です。」と。
そういえば、フェンダー夫婦には子供がいなかったな。苦労して築き上げた財を惜しげも無く友人に託したレオ・フェンダーの心意気はいさぎよい。
スピーチの余韻にひたりながら、ウイスキーをすするボク、ふと隣をみると、カミさんの姿が消えている。もしや、、目をこらしてステージ前方を見ると、すでにカミさんは、バディー・ガイの汗の飛び散る”Buddy Wet Zone”で、世界中の金持ちの奥さん達と共に、ビールを片手に狂気乱舞していた。
こうして、危険な場所、”フェンダービジターセンター”が徒歩10分のトコに出来てしまった。お好みギターの”プレミアムショップ”もアブないが、アパート暮らしのボクにとって、一番嬉しいのは、弾き放題の”試奏ルーム”だね!
願わくば、カミさんのイラスト描きが忙しくなって、毎週言って欲しいものだ。
「ねえ、フェンダービジターセンターでも行ってきたら?」ってね!はっは、じゃ、またな!
ある朝、広報宣伝部のおネーさんがボクに一通の手紙を渡してくれた。
手紙には、「この度、新施設”フェンダービジターセンター”設立の旨となりました。つきましては、ささやかな会をもうけますので、奮ってご参加ください。」 との事。
パーティーの詳細は飲み放題、食べ放題、ゲストにはシカゴブルースの第一人者、バディー・ガイがライブを演る。いいぞ!フェンダーといえば、業界一の大手、イベントはいつも豪華だ、しかも会場は我が家から徒歩10分!車をおいて存分楽しめる。カミさんと早めに会場に乗り込み、受付をすませ“VIP”と入ったパスをもらって意気揚々とゲートをくぐると ”What’s Up Guys! !!“
聞き覚えのあるダミ声に振り返るとフェンダー・シニアマスタービルダーのタッド・クラウスさんが、ただブラブラしていた。
”Six Strings Town”,ここコロナがギタータウンと呼ばれるゆえんは、大手楽器メーカー”フェンダー”の存在そのものだ。LAを結ぶ近郊電車・メトロリンクのコロナ駅正面にある”フェンダーセンター”には、楽器にまつわる博物館、”フェンダーミュージアム”と、野外コンサート場、”TLC Amphitheater”がある。
全社あげて音楽による子供の情操教育に取り組んでいて、子供向け音楽教室も大人気。9月はキャンペーン”Kids Rock Free”の真っ最中で、あさっての夜には恒例のクラッシックロックの大御所、スティーブ・ミラー・バンドとキッズオーケストラのジョイントコンサートがある。そして、市内をはずれた商業エリアにある工場の敷地にオープンするのが、”フェンダービジターセンター”。タッドさん曰く”すごい場所”らしい。どうすごいのかって?とにかくタッドさんのエスコートで突入だ!
まず入り口ショーウィンドウを飾る、有名ミュージシャン御用達のギターギャラリー。ジミヘンのトリビュートから、クラプトンのブラッキー、おっ、カミさんの好きなリッチー・ブラックモアーのシグネィーチャーもあるぞ。中央ホールには、フェンダーオリジナル商品が並ぶお約束の土産品コーナー。EVHアイテムもあるね!
そして何よりも、一番奥のビジュアルシアターの壁に飾ってあるギターがスゴイ!エディーのフランケン、ランディーのジャクソン、世界中のギターマニアをうならせる、お宝ギターがズラっと並んでいて、どのギターも”Do Not Touch!”と書いていない、、、て事は、触り放題だーーー!と、すっかり興奮状態のボク。「そんな事で驚いてちゃダメだね!」とタッドさんに急かせれ、次に案内されたのが”プレミアムギターショップ”。タッドさんが、「ここはギターのサブウェイ・レストランだ!」と言う。
サブウェイ?自分でパンや具の種類を選んでお好みのサンドウィチが作れるアノ店か?木の匂いの立ちこめる室内をみまわすと、ネック、ボディー、ピックガードの順にギターの部品が”切り身”で置いてある。少し年配のニコニコしたフェンダーTシャツを着たオジさんが、「おひといかがですか?」と話しかけてくる。
そ、そうか、自分の好みのネック、ボディーをアレコレ選んでお好みのギターが作れるってワケだ。まさに、サブウエイ・レストラン・ギター版、なんて危険なレストランなんだ。「何日くらいでできあがるの?」とタッドさんに尋ねると、彼は少し黙ってから答えた。
”スーン、、(Soon,すぐの意味)’’・・・・・
スーン、、アメリカ人の「今スグ」と不動産屋の「すぐソコ」ほどアテにならないモノはないんだがな。さて、その隣がボクの大好きな”試奏ルーム”、弾き放題の部屋だ。
小さな部屋で、5番街の宝石店のような高級感があって入りにくいけど、がんばって常連になるぞ!たっぷりビジターセンターを堪能してから、パーティータイムだ。
世界中の金持ちが集まってるとの事,全てがゴージャスだ。ステージでは、お偉方のスピーチがとりおこなわれている。このアタリは日本もアメリカの変わらないね。
そしてスピーチの最後に登場したのが、フィーリイス・フェンダーさん、今は亡き創設者レオ・フェンダーの奥さんだ。壇上で彼女は語る。
「楽器を作り続けることが、フェンダーのプライドであり、ミュージシャンを産み続ける事が、私の使命です。」と。
そういえば、フェンダー夫婦には子供がいなかったな。苦労して築き上げた財を惜しげも無く友人に託したレオ・フェンダーの心意気はいさぎよい。
スピーチの余韻にひたりながら、ウイスキーをすするボク、ふと隣をみると、カミさんの姿が消えている。もしや、、目をこらしてステージ前方を見ると、すでにカミさんは、バディー・ガイの汗の飛び散る”Buddy Wet Zone”で、世界中の金持ちの奥さん達と共に、ビールを片手に狂気乱舞していた。
こうして、危険な場所、”フェンダービジターセンター”が徒歩10分のトコに出来てしまった。お好みギターの”プレミアムショップ”もアブないが、アパート暮らしのボクにとって、一番嬉しいのは、弾き放題の”試奏ルーム”だね!
願わくば、カミさんのイラスト描きが忙しくなって、毎週言って欲しいものだ。
「ねえ、フェンダービジターセンターでも行ってきたら?」ってね!はっは、じゃ、またな!